【2025年版】大学職員はオワコン?現役職員が語る真実と転職対策

大学職員のリアル
  • 大学職員は本当に「オワコン」?
  • 少子化が進む中で大学に転職して大丈夫?
  • 本当に大学職員は安定してる?

その心配、よくわかります。この記事では、社畜営業から大学職員に転職したさえきが、大学業界のリアルな現状と「オワコン」と言われる理由を深掘りします。そして、転職するうえで、「生き残る大学」を見極める方法、さらには入職後も「オワコン職員」にならずに活躍し続けるための具体的な戦略までを徹底解説します!

この記事を読めば、インターネット上の表面的な情報に惑わされず、本当にオワコンがどうか、転職して大丈夫か判断できるようになります!

「大学職員 オワコン」と言われる理由

少子化&大学多過ぎ問題

「大学職員はオワコン」という意見の背景には、日本の少子化と、それに見合わない「大学が多すぎる」という構造的な問題があります。18歳人口が激減しているにもかかわらず、大学の数は増え続け、結果として多くの大学で定員割れが常態化する「大学全入時代」へと突入しました。

この「大学全入時代」とは、大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況を指します。誰もが大学に入れるようになった一方で、学生はより「選ぶ」立場となり、大学間での学生獲得競争は激しくなっています。

学生数が減少すると、大学は以下のような経営上の課題に直面します。

  • 学費収入は減少の一途: 大学の主要な収入源である学費が減るため、経営基盤が弱体化します。
  • 人件費が経営を圧迫: 学生数が減っても、教職員の数を急激に減らすことは難しく、人件費が経営を圧迫する要因となります。
  • 教育・研究投資も停滞: 経営が厳しくなると、新しい教育プログラムの開発や研究設備への投資が滞り、大学の魅力がさらに低下する悪循環に陥る可能性があります。

こうした状況に対応するため、多くの大学が様々な改革を迫られています。

ここでは、具体的な大学の動きを事例としてご紹介します。ニーズがない大学は淘汰される時代が現実のものとなり、変化に対応できない大学は存続が危ぶまれる状況です。

大学名/時期(概ね)主な対応詳細/背景補足情報・ニュースソース(抜粋)
【募集停止・閉校】
京都ノートルダム女子大学2025年度から学生募集停止少子化による定員割れが背景。創立60年以上の伝統校。「『名門女子大学』が学生の募集停止へ 定員割れ相次ぐ女子大」(関西テレビテレビ放送 カンテレ)
名古屋柳城女子大学募集停止を発表少子化による経済的な厳しさ、小規模大学への影響。「2025年以降、大学募集停止急増? 女子大が生き残る道は「理系・データサイエンス」」(Cyzo)
【公立化】
旭川大学2023年公立化民設民営型の私立大学が自治体に移管。「私立大学公立化の現状と課題」(桜美林大学リポジトリ)
高知工科大学2009年公立化公設民営方式の私立大学から県立大学へ移行。「私立大学から公立大学に移行した大学について」(旭川市)
静岡文化芸術大学2010年公立化公設民営方式の私立大学から県立大学へ移行。「私立大学から公立大学に移行した大学について」(旭川市)
【学部学科再編】
岩手大学学部再編獣医学部新設、理工と農学部を再編し、理系シフトを推進。「18歳人口100万人割れ 少子化の急激な進行により待ったなしの大学改革」(ユニヴプレス)
秋田大学学部再編理工学部を総合環境理工学部に改組。情報データ科学部新設。「18歳人口100万人割れ 少子化の急激な進行により待ったなしの大学改革」(ユニヴプレス)
大妻女子大学学部新設データサイエンス学部新設。社会の変化に対応した専門性強化。「サンデー毎日:2025年度大学入試はこうなる 少子化で進む「理系」シフト」(毎日新聞)
東京女子大学学部改組現代教養学部を情報数理科など6学科体制に改組。「サンデー毎日:2025年度大学入試はこうなる 少子化で進む「理系」シフト」(毎日新聞)
【共学化】
武庫川女子大学2025年4月共学化少子化への先手対応、教育の多様化、関西私学の競争激化が背景。武庫川女子大学共学化(日経新聞)
神戸松蔭大学2025年4月共学化経済・経営の知識やICT活用能力を育成し、地域貢献を目指す。「2025 年 4 月 共学化・大学名称変更」(神戸松蔭大学)
東京家政学院大学2025年4月共学化現代生活学部を改組し、生活共創学部を新設。「18歳人口100万人割れ 少子化の急激な進行により待ったなしの大学改革」(ユニヴプレス)

オワコンではない“生き残る大学”の条件

少子化や大学の多すぎ問題、そして文部科学省の定員適正化政策により、大学業界は厳しい淘汰の時代を迎えています。しかし、その中でも学生や社会から選ばれ、成長を続ける「生き残る大学」も存在します。これらの大学は、単に現状維持に固執するのではなく、未来を見据えて積極的に変革に取り組んでいます。

「オワコン大学」を避け、将来性のある大学を見極めるためには、以下のポイントに注目して公開情報を分析することが重要です。

  • 定員充足率が高い: 学生を安定的に確保できているか、定員割れが常態化していないかを確認しましょう。これは大学経営の健全性を示す最も直接的な指標です。
  • 産学連携・DX推進が活発: 企業や自治体との共同研究やプロジェクトが活発であるか、また大学全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)に積極的に取り組んでいるかを確認しましょう。これらは、社会のニーズに対応し、新たな価値を創造する大学の姿勢を示します。
  • 国際化や地域連携に積極的: 留学生の受け入れ・派遣プログラムの充実、海外大学との提携強化、地域社会との連携を通じて、グローバル化や地域貢献に力を入れている大学は、多様な学びの機会を提供し、競争力を高めています。
  • 教育の質向上への投資: 学生一人ひとりへの手厚いサポート、アクティブラーニング導入、少人数教育、ICT活用など、教育内容・方法の改善に積極的かどうかも重要な見極めポイントです。
  • 財務状況の健全性: 内部留保が潤沢、借入金が少ない、寄付金収入が増加傾向にあるなど、安定した財務基盤がある大学は、長期的に見ても安心して働ける可能性が高いです。

これらのポイントを総合的に判断し、安定した「成長する大学」への転職を目指しましょう。

【転職者向け】後悔しない“オワコン回避”大学選び

大学職員への転職を考えるなら、漠然と「安定しているから」という理由だけで選ぶのは危険です。少子化が進む今、大学を取り巻く環境は激変しており、中には経営が危うい「オワコン大学」も存在します。後悔しない選択をするために、事前にチェックすべき大学選びのポイントを具体的に解説します。

定員充足率のチェック方法

「危ない大学」を見分ける最も分かりやすいサインの一つが定員充足率の低さです。文部科学省のデータや各大学の公表資料で確認できます。特に、数年連続で定員割れが続いている大学は注意が必要です。大学の主な収入源は学生の学費ですから、定員割れは直接的に経営を圧迫します。

受験倍率が高くても、それは人気の学部や学科に集中しているだけで、大学全体の定員充足率が低いケースもあるため、全体像を把握することが重要です。

大学の規模は適切か?(小規模すぎないか)

学生数が少ない小規模大学は、定員割れの影響を大きく受けやすく、経営基盤が脆弱になりがちです。大規模大学に比べて、教育投資や設備投資の余力が少ない傾向にあります。安定性を重視するなら、学生数が2000名以上のある程度の学生規模を維持している大学を選ぶのが無難でしょう。

求人の給与は相場とかけ離れていないか?

大学職員の給与は、一般的に安定しているイメージがありますが、募集されている給与が同規模・同地域の他の大学や、民間企業の同等職種と比較して著しく低い場合は、経営が厳しい、あるいは人件費を抑制しているサインかもしれません。転職サイトや大学の公開情報で、提示された給与が相場と大きくかけ離れていないか確認しましょう。

大学職員の年収については、こちらの記事で解説しています。
【大学職員 年収】国公立・私立の比較を徹底検証してみた | TOEIC300の社畜営業が、なぜか大学職員に転職できた件

財務・改革計画の見方

あなたが志望する大学が、将来に向けてどのようなビジョンを持ち、どのように成長しようとしているのかを事前に把握しましょう。選考対策はもちろん、後悔しない転職のために不可欠です。大学が公開している情報には、その未来を予測するためのヒントが隠されています。

  • 中長期計画・大学改革実行プラン: 多くの大学は、今後の数年間から数十年間の教育・研究・経営の方向性を示す中長期計画や、具体的な改革実行プランを策定し、ウェブサイトで公開しています。これらを読めば、大学が少子化や社会の変化にどう対応しようとしているのか、どのような分野に注力していくのかが見えてきます。
  • 事業報告書・財務状況に関する情報: 大学は、学校法人の財務状況、学生数、教職員数、入試状況などをまとめた事業報告書や財務状況に関する情報を公開しています。特に、過去数年間の学生募集状況(志願者数、合格者数、入学者数、定員充足率)や、財務状況(資金収支、事業活動収支)の推移を比較することで、その大学の経営の安定性や成長性、あるいは潜在的なリスクを客観的に判断できます。
  • 自己点検・評価報告書: 大学は定期的に、自身の教育活動や研究活動、社会貢献活動について自己点検を行い、その結果を報告書として公開しています。これにより、大学が掲げる目標に対してどれだけ達成できているのか、どのような課題を認識し、改善しようとしているのかが分かります。
  • 外部評価結果: 大学は、第三者機関による認証評価や、各種ランキングに参加しています。これらの外部評価の結果は、大学の教育の質や研究水準、国際性などを客観的に評価したものであり、大学の強みや弱みを把握する上で参考になります。
    • 例:大学基準協会(認証評価機関) 認証評価結果 (各大学の評価結果へのリンクがあります)

大学が公表している「中長期計画」でどのような経営方針を持っているか理解しましょう。

データ分析・DX推進を積極的に推進しているか

現代の大学では、学生募集や教育改善、経営戦略の立案において、データに基づいた意思決定が不可欠です。そのため、IR(Institutional Research:大学内の様々なデータを収集・分析し、教育改善や経営戦略立案に活かす取り組み)の推進やDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組むことは重要です。

採用要項や大学のウェブサイトで、「IR」「DX」「データサイエンス」「産学官連携」といったキーワードがあるかを判別し、その大学がこれらの取り組みを積極的に推進しているかを確認しましょう。

オワコン大学職員にならないためのスキル

大学職員として無事に転職できたとしても、そこであなたのキャリア形成が終わるわけではありません。「オワコン職員」にならないためには、入職後も自身の成長にコミットし続けることが重要です。転職後、大学職員として長く活躍するための具体的な戦略と、それに必要な心構えを解説します。

大学職員に求められるスキルは常に変化しています。特定の部署や大学内だけで通用する「テクニカルスキル」だけでなく、どんな環境でも活かせる「ポータブルスキル」を磨くことが重要です。

  • 課題解決能力: 大学が直面する学生減少、経営悪化、DX推進といった多様な課題に対し、自ら問題を発見し、分析し、具体的な解決策を立案・実行する能力は不可欠です。
  • 企画・提案力: 新しい教育プログラム、広報戦略、業務改善など、現状維持ではなく、未来を創るための企画を立案し、関係者を巻き込みながら実現する力は、キャリアアップに直結します。
  • コミュニケーション能力・調整力: 多様な立場の人々と円滑な関係を築き、意見の異なる人々をまとめ上げ、共通の目標に向かって調整する力は、大学組織で働く上で最も重要なスキルの一つですげ。
  • データ分析力: 学生の志願動向、在学生の学習状況、大学内の様々なデータなどを分析し、客観的なデータに基づいて意思決定を行う能力は、今後の大学経営においてますます重要になります。特に、大学内の様々なデータを収集・分析し、教育改善や経営戦略立案に活かす「Institutional Research (IR)」の視点は、現代の大学職員に不可欠な能力です。
  • ITリテラシー・DX推進力: 大学のDX化は喫緊の課題です。新しいシステムやツールを積極的に導入し、業務効率化や教育の質の向上に貢献できるITリテラシーやDX推進力は、あらゆる部署で求められます。

これらのポータブルスキルは、どの業界・職種でも活かせるため、もし将来的に別のキャリアパスを考えることになっても、市場価値は高まります。

まとめ:オワコンじゃない大学を選ぼう!

大学職員への転職は、一見「安定」という魅力的な響きを持ちます。しかし、少子化や大学を取り巻く環境の激変により、「オワコン」という声も聞かれるようになりました。

重要なのは、これらの情報に一喜一憂するのではなく、あなた自身が大学業界の現状を正しく理解し、自身のキャリアプランと照らして「最適な道」を見つけることです。

「オワコン」論に惑わされない判断軸

  • 大学の経営状況を客観的に評価する: 定員充足率、財務状況、公開されている事業計画などを確認し、安定性だけでなく、将来性や改革への姿勢を見極めましょう。
  • 大学職員に求められる力を理解する: 大学業界は変化の真っただ中にあります。過去の「安定」イメージに固執せず、変化を前向きに捉え、自ら課題解決に貢献する意欲があるかを自問自答しましょう。

オワコン大学回避チェックリスト

  • 定員充足率は十分か?
  • 大学規模は適正か?
  • 提示給与は相場並みか?
  • 産学連携・DXは活発か?
  • 国際・地域連携は積極的か?
  • 教育投資は十分か?
  • 財務状況は健全か?

オワコンかどうかは、しっかり志望する大学を選べば大丈夫です!大学職員への転職の道を歩み始めましょう!!

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