【大学職員 年収】国公立・私立の比較を徹底検証してみた

皆さん、こんにちは！社畜営業マンから大学職員に転職できた「さえき」です。

大学職員の年収について、ネット上では「高給ホワイト！」という声がありますが、それ本当か？と疑問に持ったことありませんか？

この記事では、年収に関する疑問と不安に、実際の年収データと私の大学の事例もを交えながら、大学職員の「年収」に関する本当の姿を徹底解説します。

具体的な数字はもちろん、年収の高い大学の選び方まで解説します。

この記事を読めば、あなたは大学職員の年収に関する正確な知識を持ち、後悔のない最適なキャリアを選択するための確かな判断材料が得られます。

ぜひ最後まで読み進めて、未来を変える一歩を踏み出してください。

大学職員の平均年収比較/国立・公立・私立でどう違う？

大学職員の平均年収比較/国立・公立・私立でどう違う？

大学職員の年収は「安定していて高い」というイメージが強いですよね。僕も営業時代にはそう信じて疑いませんでした。しかし、その実態は非常に多様です。ここでは、設置形態（国立、公立、私立）、役職、そして大学の規模や所在地によって、年収がどう変わるのかをデータで見ていきましょう。

国立大学職員の年収：公務員に準拠した給与体系

国立大学職員の年収は、公務員に準じた給与体系です。安定性は非常に高いですが、高額な年収にはなりにくい構造です。

区分	平均年収（目安）※手当込み
国立大学法人職員	約595万円
国家公務員	約660万円
地方公務員（都道府県）	約595.6万円
地方公務員（指定都市）	約638万円

出典:

国立大学職員は、公務員に準じた年功序列で安定した昇給が見込めるため、雇用安定性は非常に高いです。しかし、国家公務員よりは平均年収が低いため、高額な年収を期待するなら私立大学を検討すべきです。僕自身は私立大学に勤務していますが、国立大学から転職してくる人も多く、その理由の１つが「年収アップ」だと聞いています。それくらい、私立と国立では年収に差があるのは事実です。

公立大学職員の年収：自治体職員よりやや低め

公立大学職員の給与は、その大学が所在する自治体（県や市）の給与体系に準じていることが多いです。そのため、地域や大学によって年収に差が生じます。

例えば、公立鳥取環境大学のデータを見ると、月給367,991円、賞与4.2ヶ月分で計算すると、年収は約596万円となります。これは、鳥取県の規程で県職員より4号給下位（4号分は4000円）と定められているように、自治体の職員より給与が低い設定になっています（公立鳥取環境大学「給与等状況報告書」より）。

公立大学も国立大学同様に給与の伸びは緩やかですが、公務員に準じているため、安定性は高いと言えます。ただし、キャリアパスとして知っておくべき点ですが、私の知り合いの公立大学の職員に聞くと、管理職は県や市から出向している職員も多いのが実情です。これは、プロパーの大学職員が管理職に昇進しにくいケースがあることを意味します。

私立大学職員の年収は「ピンキリ」が現実！大手から地方まで

私立大学職員の年収は、国立大学よりも高い傾向（平均約734万円：日本私立学校振興・共済事業団発表データより）がありますが、これはあくまで平均です。選ぶ大学によって大きく異なり、まさに「ピンキリ」が現実です。

有名大規模私立大学の「1000万円超え」年収モデル

「私立大学は高給」というイメージは、主にMARCHや関関同立といった有名大規模私立大学の年収が牽引しています。OpenWorkのデータによると、実際に年収1000万円を超える事務職員の事例が確認できます。

明治大学: 入職10年～15年目で年収1150万円
関西学院大学: 入職5年～10年目で年収1000万円（基本給60万円、ボーナス200万円）
関西大学: 入職15年～20年で年収1050万円
慶応義塾大学: 入職10年～15年目で年収1350万円

これらの背景には、多くの学生数と安定した授業料収入という強固な財政基盤があります。参考として、主要な私立大学の学生数ランキングも見てみましょう。万単位の学生を抱える大学ほど、安定した収入源を持つと言えます（以下、2024年度学部学生数ランキングより抜粋）

順位	大学名	学生数（人）
1位	日本大学	66,871
2位	早稲田大学	38,029
3位	近畿大学	35,227
4位	立命館大学	34,600
5位	明治大学	32,731
6位	東洋大学	30,757
7位	慶應義塾大学	28,789
8位	法政大学	28,619
9位	東海大学	28,555
10位	同志社大学	26,166
11位	関西大学	25,607

地方・中堅私立大学のリアルな年収

一方で、地方の大学や小規模・中堅私立大学の年収は、大規模大学に比べて低い傾向が見られます。場合によっては、中小企業並みの年収である可能性も十分にあります。

僕のリアルな年収公開！【地方私立大学の年収の実例】

僕自身、現在、学生数約2000名規模の私立大学に勤務しています。大学職員として働くことの年収のリアルについて、僕自身の給与明細と、給与規程に基づいた確かな実例をぶっちゃけますね。

現在（34歳・役職なし）の年収

年収合計：だいたい600万円ほど
月々の給与（額面）：約35万円
手取り：30万円台前半になることが多い
ボーナス（年2回）：合計約175万円（月給の約5ヶ月分程度）

リアルな年収の推移（給与規程に準ずるモデル年収）

僕の所属する大学の給与体系を基に、係長、課長、部長といった役職に昇進した場合の年収モデルを公開します。これはあくまで一例ですが、あなたの将来のキャリアパスを考える上で参考にしてください。（※基本給とボーナスのみで計算しています。各種手当は含んでいません。）

係長クラス（４０歳前後）
- 基本給（額面）：約40万円
- ボーナス（年2回、計5ヶ月分）：約200万円
- 年収合計：約680万円～
課長クラス（４５歳前後）
- 基本給（額面）：約45万円
- ボーナス（年2回、計5ヶ月分）：約225万円
- 年収合計：約765万円～
部長クラス（５０歳前後～）
- 基本給（額面）：約55万円
- ボーナス（年2回、計5ヶ月分）：約275万円
- 年収合計：約935万円～

もちろん、ここに各種手当（扶養手当、住居手当、通勤手当など）が加われば、さらに年収は上積みされます。年功序列で安定的に昇給していくため、長期的に見れば着実に年収が上がっていくことが期待できます。

大学職員の給与体系＆福利厚生の全貌

大学職員の魅力は、何も年収の数字だけではありません。手厚い給与体系と充実した福利厚生も、この職種の大きな強みです。

基本給・ボーナス・各種手当の仕組み

大学職員の給与は、基本給に加えて、様々な手当が支給されることで構成されています。民間企業と大きく変わらないように見えますが、その安定性や手当の充実ぶりは特筆すべき点です。

基本給: 大学ごとの給与規定や、国立の場合は公務員に準じた俸給表に基づいて決定されます。年功序列で安定的に昇給していくのが一般的ですし、ここから約5ヶ月分程度のボーナスが支給されることを踏まえて年収が計算されます。
諸手当: 扶養手当、住居手当、通勤手当、役職手当、超過勤務手当（残業代）、休日勤務手当など、多岐にわたります。特に住居手当が手厚い大学も多く、家計の助けになります。
賞与（ボーナス）: 通常、年2回（6月と12月）支給されます。国立大学法人では年間で約4.45ヶ月分が目安とされています。私立大学ではさらに高く、1回のボーナスで100万円以上支給される大学も存在し、年収に大きく貢献しています。景気変動に左右されにくい安定した支給額は、大学職員の大きな魅力の一つです。

大学職員の手厚い福利厚生

大学職員の福利厚生は、民間企業と比べても非常に手厚いことで知られています。

社会保険: 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険といった基本的な社会保険はもちろん完備されています。
傷病・出産手当: 病気や怪我で療養が必要な場合の費用給付や、出産手当金なども支給され、いざという時の安心感があります。
財形制度: 積立貯金や生命保険といった、職員の長期的な生活設計を支援する制度も充実しています。
施設利用: 体育館、グラウンド、テニスコート、プールなどの体育施設や学校法人が所有している宿泊施設なども格安、あるいは無料で利用できる大学もあります。また附属図書館の蔵書や視聴覚資料も自由に利用できるのは、知的好奇心を満たしたい人にはたまらないメリットでしょう。
住宅手当: 特に注目すべきは、住宅手当の厚さです。一部の大学では、持ち家を持つ職員に対しても月に3万円以上の住宅手当が支給されるケースもあります。
長期休暇: 夏休みと冬休みでそれぞれ2週間以上の長期休暇が取得可能です。年間休日が実質的に140日を超える大学も少なくありません。これにより、価格が高い時期を避けて旅行に出かけるなど、プライベートな時間を充実させることが可能です。
残業代の適切支給: 公的な組織であるため、イベント対応などで残業が発生した場合でも、残業代が適切に支給される傾向にあります。

このような手厚い福利厚生は、大学職員が「安定した職業」と言われる大きな理由の一つです。

【超重要】失敗しない大学選びの肝！3つの視点

どうしたら年収が高くて、経営基盤が安定している大学に行けるか、３つの視点を解説します。年収の数字だけを見るのは危険ではありません。

視点１：「学生数の規模」で年収と安定性を見抜く

大学の経営安定性、ひいては職員の年収に最も直結するのが学生数です。授業料収入が大学の主な財源だからです。

万単位の学生を抱えるマンモス校であれば、少子化の時代といえども、その強固な学生基盤が経営の安定に繋がり、結果として高給を狙える可能性が高まります。

少なくとも、僕が所属している大学のように2000名以上の学生数がある大学を一つの目安として狙うのが賢明だと言えるでしょう。学生数の多い大学は、一般的に財務基盤が安定している傾向にあります。

視点２：「エリア（所在地）」で変わる年収の現実

大学職員の年収は、大学がどこに位置しているか、つまり**エリア（所在地）**によっても大きく変わるのが現実です。

一般的に、首都圏や関西圏などの大都市圏に位置する大学の方が、地方の大学に比べて年収が高くなる傾向にあります。これは、大都市圏の方が学生が集まりやすく、それに伴い大学の収入も安定しやすいことが背景にあります。ただ、地方とはいえども、その県やエリアで有名な私立大学は結構年収高い傾向にあるので、安心してください。

視点３：「受験倍率」に惑わされるな！見るべきは「合格者倍率」と「定員充足率」

この視点は、少しマニアックかもしれませんが、大学の「本当の人気」と「経営の健全性」を見抜くために非常に重要です。よく「受験倍率」が高いから人気がある、安定していると思われがちですが、これは罠です。

受験倍率（志願倍率）: 大学にどれだけの人が志願したかを示す数字。出願が手軽だったり、複数回受験できる制度があったりすると、実態以上に高く見えます。
合格者倍率（実質倍率）: 実際に受験した人のうち何人が合格したかを示す数字。大学がどれくらい合格を出しやすいか（あるいは絞っているか）の目安になります。合格者倍率が低い場合、それは大学が学生確保に苦戦しているサインです。多くの受験生に合格を出している（合格者倍率が低い）のに定員が埋まらない、あるいは定員を埋めるために無理に合格者を出している状況が考えられます。これは、大学のブランドイメージや競争力が低下している可能性があり、最終的に財政基盤に影響を及ぼしかねません。

本当に重要なのは、定員充足率です。これは「実際の入学者数 ÷ 入学定員数」で計算され、大学が定めた学生の数を実際に確保できているかを示す最も直接的な指標です。

定員充足率が100%に近い、または100%を超えている大学は、学生確保が安定しており、経営基盤がしっかりしていると判断できます。学生が授業料を支払うことで大学の収入が安定するため、これはそこで働く職員の雇用安定性にも直結します。

【僕の体験談】内定先の２校がまさかの「公立大学化」と「経営母体変更」

僕が転職活動で内定を得た4校のうち、内定辞退した私立の２大学が、1校が後に公立大学化し、別の1校は売却され経営母体が変更になりました。今振り返ると、これは大学職員の年収と安定性を考える上で、「見抜く視点」の重要性を物語っています。

僕も当時は「とにかく大学職員になれれば」と考えていましたが、内定を得た後、条件面や経営面を確認し、入職をお断りしました。

具体的には、その２大学は学生数1000名程度の地方大学で、合格倍率はほぼ1倍（受けたら全員合格状態）、定員充足率も60~70%でした。

今の仕事が辛いと、「とにかく大学職員になれば良い」と思いがちですが、しっかりと年収面の裏付けとなる学生の在籍状況等も確認しましょう。

まとめ：大学職員の年収は「大学選び」が全て！

ここまで読み進めてくれたあなたなら、もう大学職員の年収について、かなり明確なイメージが持てたのではないでしょうか。

年収は私立大学が高い傾向にありますが、国公立大学も公務員に準拠した給与体系で安定性は高いものの、年収の伸びは緩やかです。
特に私立大学は「ピンキリ」が現実で、大手有名校は高給を狙えますが、小規模な地方大学だと経営が不安定な可能性も潜んでいます。
だからこそ、安定した年収を得るためには、大学選びが非常に重要です。
- 学生数の規模（特に2000名以上の大学を狙う）
- エリア（所在地）（首都圏や関西圏などの方が年収が高い傾向）
- そしてマニアックですが、合格者倍率と定員充足率（特に後者は経営の安定性を示す重要指標）

僕自身、内定を得た大学の中には、後に公立化や経営母体変更を経験した大学もありました。当時の僕は「とにかく大学職員になれれば」と思っていましたが、その裏側には学生数の不足や合格者倍率の低さなど、経営不安のサインが隠されていたんです。

この情報が、あなたが後悔しないキャリアを選択し、希望の未来を掴み取るための力になることを心から願っています！

【大学職員年収】国公立・私立の比較を徹底検証してみた